【インタビュー企画】サウジアラビア人に色々聞いてみた Part1

私たちNextrustは、ひと・もの・事・企業・事業・環境を掛け合わせ、新しい変化を生み続けることを意味する「MAKE CHEMISTRY」をビジョンに掲げています。グローバル事業では、「中東市場 x 日本発コスメブランド」、「イギリス市場 × 日本発飲食店チェーン」などの掛け合わせで、日本企業の海外進出を支援しています。

今回は、グローバル事業のメンバーにサウジアラビア出身の友人がいましたので、インタビューを行いました。「サウジアラビアから見た日本」、「近代化と脱石油が進むサウジアラビア」、「サウジアラビアのライフスタイル」「サウジアラビア人のお化粧・スキンケア事情」などを中心に話を聞いてみたところ、これまでに遠い存在であったサウジアラビアの輪郭がおぼろげに見えてきました。ぜひ、お楽しみください。

プロフィール

東京都内にあるトルコレストランにて

名前:ハマド・アルフメイド
年齢:38歳
職業:レストラン&カフェの経営者
趣味:海外旅行とサッカー観戦

サウジアラビア人から見た日本

グローバル事業担当者:
今日は、インタビューさせてくれる時間を作ってくれてありがとう。今日は、ざっくばらんに色々なこと聞かせてもらうよ!

ハマド:
何度もインタビューのスケジュール変更してごめん!何でも聞いてもらって大丈夫だよ。

グローバル事業担当者:
まず最初にサウジアラビア人であるハマドの日本に対する印象について教えてほしい。ハマドは、2015年と2019年に東京に遊びに来てくれたね。「JAPAN」っていうキーワードを聞いたときに連想する単語ってどんなものがあるかな?

ハマド:
2015年に東京に訪れた際は、体調が悪くてあまり楽しめなかったんだ。でも、2019年は思いっきり楽しめたよ!合計で1ヶ月ぐらいは日本に滞在して、日本人と接する機会があったんだけど、「ハードワーク」、「秩序のあるシステム」、「英語喋れる人少ない」、っていう印象が強いかな。

サウジアラビアの民族衣装「ソーブ」を着て新宿を観光

グローバル事業担当者:
いま挙げてくれた3つのキーワードについて、もう少し詳しく教えてくれる?

ハマド:
「ハードワーク」についてだけれども、日本に滞在したときは、品川と赤坂にあるホテルに滞在したんだ。そのときロビーに座ってホテルのスタッフがどのように働いているかを観察したことがあるんだよ。何もせずに立っているスタッフは、1人もいなかったよ。常にすべき仕事を探しているようにも見えた。これが日本のホスピタリティーの高さを支えているんだと確信したよ。個人レベルで仕事に対する意識が高くて、それが組織全体に行き届いている気がした。

「秩序のあるシステム」については、1回目に東京に滞在したときに山手線に乗って渋谷に行ったこと覚えてる?

グローバル事業担当者:
なんとなく覚えてる。

ハマド:
あのとき、電車がほんの数分遅れたんだよね。電車に乗って渋谷に着くまでの間にアナウンスが流れたんだけど、日本語だから何言っているのか分からなくて、君に通訳を頼んだよね。それで、君が通訳してくれた。そのアナウンスは、「電車が遅延して申し訳ありません」ってお詫びする内容だったんだよ。「たった数分しか遅れていないのに謝るの!?」って驚いたよ。長い間、秩序あるシステムが毎日当たり前のように運用されているから、数分の遅れも許されないんだろうね。とにかく驚いたよ。

グローバル事業担当者:
それは覚えてる!一緒にいたイギリス人も驚いてたよね。ただ、電車が数分遅延したぐらいで怒る日本人も少ないとは思うよ。

ハマド:
いや、京都へ旅行に行くときに私が10分ぐらい遅刻してホテルのロビーに降りてきたときに、不機嫌そうだったよ(笑)

グローバル事業担当者:
あれは、新幹線の時間があったからだよ!

ハマド:
遅れたら、次の電車に乗ればいいじゃん(笑)

グローバル事業担当者:
わかった、わかった(笑)

ハマド:
日本の皆さんには、インシャラー(神がお望みであればという意味で、なるようになるでしょ!みないなノリで使われます)という言葉を贈りたいよ。

グローバル事業担当者:
インシャラーだらけになったら、いまの日本はないだろうね(笑)

「英語喋れる人が少ない」については、どう?

ハマド:
初めて会った日本人が君だったし、日本は世界有数のグローバル都市だって聞いてたから、どこでも英語は通じると思っていたよ。でも、実際は通じなかったね。多分、君がいなければ切符を買うこともできなかったと思うよ(笑)

グローバル事業担当者:
日本では、英語を喋れる人は、確実に増えてきていると思うけど、確かに人口比率でいえば少ないかもしれないね。ちなみに、サウジアラビアでは英語喋れるひと多いの?

ハマド:
日本よりも多いと思うよ。サウジアラビアでは、2005年からアブドラ国王奨学金プログラムっていうのが始まって、多くのサウジアラビア人が海外の大学などに留学したんだ。学費、生活費、渡航費も国がカバーしてくれるから、人気のプログラムだったよ。私も、このプログラムを使ってイギリスに留学したんだ。このプログラムによって多くの人が英語を話せるようになって、サウジアラビアに戻ってきたんだ。確か、数年前までは、毎年13万人ぐらいが留学していたと思うよ。

グローバル事業担当者:
さすが、産油国。やることのスケールが違うね。

「リヤドはドバイを越える都市になるよ」

グローバル事業担当者:
サウジアラビアは、いま大きな変革を遂げようとしているよね。例えば、これまでサウジアラビアは、外国人に対して観光ビザを発給していなかったと思うんだけど、これが2019年9月頃に解禁された。サウジアラビア政府には、どういった変化があったのかな?

ハマド:
私は、政府関係者じゃないから確定的なことは言えないけど、中東諸国が掲げている「石油依存経済からの脱却」が大きな要因だと思う。日本の多くの方が知っていると思うけど、中東には石油や天然ガスが採れる国が多く存在して、それに頼った形で経済を発展させてきたんだ。ただ、石油をはじめとする天然資源は、いつか枯渇する可能性もあるし、石油価格の乱高下で国内経済が大きな影響を受けることにリスクを感じていたんだと思う。

そこで、サウジアラビアも石油に依存した経済発展から脱却するために、より世界に開かれた国にしようとしているんだ。その一環が、観光ビザの発給を再開したことだね。いままで、閉鎖的な国だったから日本人の皆さんには、イメージしづらいかもしれないけど、サウジアラビアには美しいビーチリゾートがあるし、最近では砂漠でのアラビアンキャンプが外国人観光客に人気なんだ。

新型コロナウイルスが落ち着いたら、日本の皆さんにもサウジアラビアを訪れてほしいよ!

グローバル事業担当者:
すごい変化だね。以前までは、メッカの聖地巡礼を行うイスラム教徒以外がサウジアラビアを訪れるって難しいことだったよね。もう1つの大きな変化は、女性の自由と社会進出を推進している点だよね。

ハマド:
それも大きな変化だね。サウジアラビアでは、女性は外出時にニカーブやヒジャーブという女性の体のラインを隠す黒い民族衣装を着用することが法律上の義務だったんだ。でも、これは撤廃された。イスラム教徒でもそうでない人でもこういった全身を隠す衣装を着なくても外出できるようになった。

あとは、これまでは男性と女性が別々のオフィスで働くことが一般的だったけれど、現在は同じ空間で働くことができるようになった。サウジアラビア政府の方針は、男女平等の方向に向かっていることは確かだよ。

グローバル事業担当者:
サウジアラビアでも近代化が進んでいるんだね。ニカーブやヒジャーブの着用が義務ではなくなったって言ったけれども、いまでも着用している女性はいる?

イスラム教徒の女性が頭髪や身体を覆う衣服であるヒジャーブ

ハマド:
もちろんいるよ。正確な数字は分からないけど、70〜80%の女性は着用し続けていると思うよ。

グローバル事業担当者:
いまでも大多数の女性が着用しているんだね。逆に、着用していない女性ってどのような方々なのかな?

ハマド:
大多数の女性は、宗教的な戒律を重んじているから着用を続けているんだと思う。着用していない女性は、20〜30代前半の若い世代の方が多いね。あとは、30代後半から上の世代でも海外留学経験や海外で生活した経験がある人たちは着用していないよ。

いま、首都リヤドに来たら、「ここは本当にサウジアラビアか!?」って驚くと思うよ!

グローバル事業担当者:
コロナが終息したら、サウジアラビアには行ってみたいよ!

あと、最近アラブ首長国連邦のディストリビューターと打ち合わせしたときに、「サウジアラビアの経済は、急成長していて、近い将来、ドバイに匹敵する先進的な都市になると思うよ」って言ってたんだけど、実際はどうなの?

ハマド:
これも個人な感想でしかないんだけど、サウジアラビアの経済に勢いがあることは感じている。首都リヤドを中心に外国人観光客を受け入れるための高級ホテル、ショッピングモール、レジャー施設が多く建設されている。コロナウイルスが終息すれば、恩恵を受ける人たちは多いと思う。国王も観光産業や観光関連産業に積極的に投資していることからも、サウジアラビアの観光業は注目すべきだね。

長期的に見れば、リヤドはドバイを越える都市になると思っている。その理由として、ドバイは比較的小さな都市で、歴史も浅く、人工的であるということが挙げられる。その点、リヤドには伝統や歴史を感じられる多くの観光スポットがあるし、リヤド郊外に行けばラウダット・ティンハットに行けば、キャンプやバーベキューなどのアウトドア・レジャーなんかも楽しめるよ。

あと、リヤドはとても安全な都市だよ。24時間営業のレストランやカフェも増えているからね。

グローバル事業担当者:
サウジアラビアへの旅行を呼びかけるCMをYouTubeで見たことあるよ。観光産業の拡大は、国を上げての一大事業なんだね。

ハマド:
その通りだね。ビジネスマンたちの考え方も変わってきているよ。前述の通り、サウジアラビアは、よりオープンで国際的な国になっていく。その結果、外国人観光客が増加して、サウジアラビア国民自体も中東地域以外のエリアへの旅行が増えてくるから、ビジネスの運営方法、飲食店や小売店の内装デザイン、マーケティング方法などは、世界のトレンドに合わせたものになってくると思う。

あとは、サウジアラビアにある企業は、海外の飲食店、ファッション、化粧品・スキンケアなどのブランドを国内に持ち込んで展開しようとしているよ。これは、国を開放的なものにするというトレンドに符合する流れだよね。

グローバル事業担当者:
今日は、時間を取ってくれてありがとう!次回のインタビューでは、「サウジアラビアのライフスタイル、流行っているもの、女性の化粧・スキンケア事情」について聞かせてもらうから、よろしくね!

ハマド:
インシャラー!楽しみにしているよ!

まとめ

いかがでしょうか?

サウジアラビアという国に対して日本人が持つ印象は、「イスラム教」、「石油」、「お金持ち」といった漠然としたものだと思いますが、ハマドのインタビューを通じて「変わりゆく今のサウジアラビア」を発信できればと良いと思っています。

イスラム教を国教とする国々の中でもサウジアラビアは、戒律と伝統を重んじる保守的で閉鎖的な国でしたが、同国にも近代化とグローバル化の波が押し寄せているのを感じることができました。また、国をあげて女性の社会進出を推進している点からも化粧品やスキンケア用品への需要は、さらに高まることが予想されています。

次回は、「若者の間で流行しているもの」、「女性の化粧・スキンケア事情」などについて聞いていますので、お楽しみに!

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