- 2021年9月12日
ポストコロナ時代、世界の化粧品産業はどう変わる？
2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の世界規模での流行は、私たちの生活を一変させました。現在は、欧米を中心にワクチン接種が急速に進み、日常の生活が戻ってきている国々が着々と増えています。
新型コロナウイルスによって多くの産業がダメージを受けました。化粧品産業も例外ではありません。ミンテル社が2020年10月に発表した「COVID時代のビューティ・リテーリング」というレポートによると、カテゴリー全体の売上は年間で7.7％減少すると予想しています。
新型コロナウイルスが収束し、新しい日常が戻ってくる日は着実に近づいています。それでは、ポストコロナの化粧品産業はどのように変わって行くのでしょうか。
世界の化粧品産業の成長予想
Market Research Future（MRFR）が発行した「Cosmetics Market Information by Product Type, Category, Distribution Channel and Region – Forecast till 2028」というレポートによると、世界の化粧品市場は2028年までに年間平均5.34%の成長をし、市場規模は3,951億4,000万ドルを超えると予測されています。
韓国をはじめとするアジアの国々は、一流ブランドが革新的な化粧品を発売し、世界市場の最前線に立っています。アジアの化粧品ブランドは、世界的に注目されており、メーカーはカタツムリのスキンを使ったフェイシャルケア商品など、とても革新的な製品をローンチし、シーンを一新させようとしています。一方、グローバルプレイヤーは、消費者の進化するニーズや好みに合わせて成分を取り入れる傾向にあります。例えば、モイスチャライザーに高SPFを配合したり、様々なスキンケア製品に弾力性を高める成分を配合したりしています。これらの化粧品のポジティブな効果とその品質の高さは、化粧品業界にとって好ましいものとなっています。
ECセールスと新しいツールの台頭
新型コロナウイルスは、人が密集するショッピングモールなどで集団感染が起こる可能性が高いため、多くの国で実店舗が閉鎖されました。消費者は、オンラインで化粧品を購入しなければならなくなり、昨年は約37.2％の消費者がヘルス＆ビューティー製品をオンラインで購入し、オンライン商取引が大幅に増加しました。
多くの先進的なブランドが、オンライン販売への移行している潮流に乗り、デジタルサービスを強化しています。例えば、Avedaは、Instagramでヘアスタイリングやヘアケアに関するアドバイスを提供する一連の動画を作成しました。その結果、再生回数は、200％以上増加しました。また、MACが導入したバーチャルメイクツールでは、消費者がアイシャドウや口紅の色を試すことができます。これは、新型コロナウイルスによるロックダウンが始まって以来、利用が300％増加しました。
サブスクリプションの増加
英Royal Mail社のレポートによると、化粧品の詰め合わせボックスのサブスクリプション市場規模は、2022年までに72％成長すると予測されています。BirchboxやGlossyboxなどのサービスは、美容関連のサブスクリプション・ボックス・ビジネスがいかに成功するかを示し、業界を牽引してきました。
過去1年間で、化粧品の詰め合わせボックスに登録する英国人の数は増加しており、パンデミックが始まって以来、消費者の5人に2人がボックスに登録しています。より多くの消費者がサービスを手軽に利用できるという認知が広まれば、化粧品産業におけるサブスクリプション市場は今後も拡大していくことが見込まれています。
パーソナライズド化粧品
エピルソン社の調査によると、ブランドがパーソナライゼーション(消費者一人ひとりの肌状態や好みに合わせたスキンケアや化粧品を提供するサービスのこと)を提供している場合、80％の消費者が商品を購入する可能性が高く、90％の消費者がパーソナライゼーションに魅力を感じると答えています。店頭でのパーソナライゼーション体験に取って代わろうと、小売業者はオンラインで受けられるアンケートやバーチャル・メイク・ツールを提供し、EC消費者にパーソナライズされたお勧め商品を作成・提供しています。
このようなパーソナライゼーションの人気により、オンライン小売業者は、消費者が美容製品を購入する前に個人的なお勧め商品を作成する機能を引き続き採用し、適応させていくものと思われます。
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