2020年に縮小したドバイ経済は、2021年大4四半期はどうなる?

ドバイ統計センター報告によると、ドバイの2020年の経済は、前年比で10.9%のマイナス成長となりました。ドバイ経済の牽引役である観光業とそれに関連する分野のビジネスが新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中で国境を越える移動が制限されたことから大きな打撃を受けたため、他の観光都市と同様に大幅に経済が縮小しました。

アラブ首長国連邦の最大商都であるドバイには、340万人の住民を抱え、ホスピタリティ、観光、小売、旅行に関連する産業はドバイ経済に大きく寄与しています。昨年の世界規模での移動制限により芸術・文化・レクリエーション分野で−55%、輸送・倉庫分野が−35%、宿泊・飲食サービス分野が−33%と軒並みマイナス成長となりました。

しかし、2021年に入ってからドバイ経済は成長軌道に戻ったようです。同センターの調査によると、2021年第1四半期の成長率は2020年第4四半期と比べると−3.7%となっているものの、前年同期比では11%のプラス成長に転じています。運輸・倉庫、ホテル・レストランの分野では、2020年第1四半期と比べて成長率が減少しており、パンデミックの影響が未だに残っているとみられています。なお、ドバイ経済の2大セクターである卸売・小売業と金融サービス分野については、前年同期比でそれぞれ2.8%と3.5%のプラス成長を達成しており、ドバイ経済の本格的な回復を牽引すると見込まれています。

ホテル・レストランの分野の成長が出遅れている原因は、2021年2月に新型コロナウイルスの感染者数が急増したことで、イギリスをはじめとする複数の国がUAEを渡航禁止リストに加えたことが原因です。その後、徐々に渡航禁止措置は解除されていったものの、他国よりも旅行再開が遅れたことにより、こういった分野の回復の圧力となっているようです。

しかし、ドバイがパンデミック前のような世界有数の観光都市としての活気を取り戻す日は近いようです。

ドバイに拠点を構えるエミレールNBD銀行のアナリストが発表したレポートの中では、「2021年第2四半期のGDP成長率は、昨年の低い水準から回復すると予想しているが、世界的な旅行規制は、第2四半期と第3四半期の両方でドバイの回復に重荷となっている可能性が高い」と述べています。しかし、続けて「これらの旅行制限はここ数週間で緩和されており、2021年第4四半期には成長が加速すると予想してる」と先行き不安を解消するよう成長シナリオを報告しています。

世界的にワクチン接種が進行していることから、徐々に旅行者も増えていること、そしてUAEで世界で最も迅速なワクチン接種キャンペーンにが順調に新興していることから、UAEは第4四半期の後半に観光客数が増加することを予想しており、観光客の受け入れ態勢を整えています。現地では、冬季にも関わらず温暖な気候で過ごせるUAEの特色と新型コロナウイルス関連の規制緩和により、寒冷地からの旅行者獲得が期待されています。観光分野の関係者の間では、パンデミックの影響で1年延期され、現在開催中の「DUBAI EXPO 2020」が、観光客を惹きつける大きな要因になると考えられています。

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