欧米コスメブランドの最新マーケティングトレンド解説!

Kolsquare社は、SNS上で活躍する美容系インフルエンサーについて、調査を行いました。同社は英国に拠点を持ち、インフルエンサー・マーケティングの最適化、最適なインフルエンサーの選定やターゲット層の設定などのソリューションサービスを180カ国で提供しています。同社は、2020年1月から翌年2月までの期間において、Instagram、Facebook、Twitter、YouTube、TikTokにおける数百のブランドやインフルエンサーの行動を調査しました。

化粧品・美容ブランドはもはや、「インフルエンサー・マーケティング」抜きでは、マーケティング戦略を立案することが出来なくなっています。それほど、インフルエンサーの存在は重要になっているのです。特にインフルエンサーの中でも特に消費者の購買意思決定に強い影響力をもつKOL(キーオピニオンリーダー)の活用は、適切に運用することで大きな効果をもたらします。

下記は、同社のレポートの中に含まれていたいくつかの重要な発見についての解説となります。これから海外進出を目指す日本の化粧品・スキンケアブランドを持つ企業様は必見です!

コスメブランドの主戦場はやっぱり、Instagram

同社のレポートによると、化粧品・美容ブランドにとってSNS上での宣伝活動が重要な理由は、商品の売れ行きは、ビジュアルとユーザーエクスペリエンスに大きく依存しているからだと解説した上で、次のように述べています。

「美容業界のデジタル化は、イノベーションへの道を切り開きます。今日、スマートフォンでメイクアップの仕方を学べる動画が閲覧でき、拡張現実の技術を用いて新しい口紅を試着することもできます。インフルエンサー・マーケティングは、これらの新しいテクノロジーを、KOL、フォロワー、ブランド間で気づかれた相互の信頼関係を通じて有効活用できるようにしています。」

実際のところ、化粧品ブランドがSNSに最も多く投稿しているクリエーションのフォーマットは「画像」で、全体の85.9%を占めています。 次いで、動画が10.3%、Instagramストーリーが2%、Instagramビデオ(IGVT)が1%です。Instagramは、おしゃれな画像や映像を投稿するための世界的なビジュアルネットワークであるため化粧品・美容ブランドやライフスタイルに関わるブランドにとっては、もっとも影響力の発揮できるプラットフォームであると言えます。統計によると、2020年の調査対象となった1,210,622件のビューティー関連の投稿のうち、90.4%がInstagramに投稿されたことが明らかになっています。

2020年、Instagramには100万以上のビューティー関連のコンテンツが投稿されています。Instagramは、非常に多様な投稿タイプ(フィード、ストーリー、ライブ、リール、IGTV)を提供していることが大きな特徴の1つです。インスタライブは、2020年4月に毎日8億人のアクティブユーザーに利用されており、新型コロナウイルス感染症に伴う、初期のロックダウンの間に世界的なブームとなりました。Kolsquareによると、インスタライブは、ブランドやインフルエンサーが消費者と直接交流できる場を提供しており、各ブランドに形成されいているコミュニティのコミットメントを高める効果もあります。また、2020年夏以降、リールの利用も着実に進んでいます。この15秒のリール動画では、製品の使い方を簡潔に説明するには丁度良い長さなのです。

改めて言う必要はないかもしれませんが、Instagramの利用者のうち90%が少なくとも1つのブランドをフォローしており、毎月1億3000万人が商品の情報を得るためにショッピングタグがついた投稿をクリックしています。

コミットメント率に関しては、実はTikTokが4.9%と最も効率が良く、次いでInstagramが1.07%、YouTubeが0.5%、Facebookが0.15%、Twitterが0.03%となっています。

その他のSNSは状況は?

TikTok
TikTokは、未だInstagramを追い越してはいませんが、美容系のビューティーブランドの利用が増加しています。このエンゲージメント率の高さが、若い世代に人気が高い成功を物語っています。また、若い世代を中心に多くのTikTok発の有名人を生み出していることにも納得できます。TikTokでは、ビューティーブランドは、チュートリアルのような長い映像形式で消費者とコミュニケーションすることは出来ません。しかし、ブランドやインフルエンサーは、短くてクリエイティブな映像、フィルター、チャレンジによって自社の商品に注目を集めることができます。

Twitch
インフルエンサー・マーケティングは、これまでに注目されてこなかったTwitchでも展開されています。美容系のインフルエンサーは、ライブ形式でフォロワーとメイントピックにしているゲームとは違う、他の話題でもコミュニケーションをとることができます。例えば、YouTuberのMichelle Phanは、主にTwitchでLeague of Legendsのプレイ動画を配信していますが、休憩時間には美容製品について話こともあります。

Twitchは、ブランドとインフルエンサーの両者に他のSNSプラットフォームにはない、消費者とのコミュニケーション方法を提供しています。Twitchは、ブランドとインフルエンサーにとって、より多くのエンゲージメントとこれまでにリーチできていなかった新しい顧客層とのコミュニケーションも可能にしています。実際にアメリカのコスメブランドであるM・A・CやMaybellineは、Twitchが主催するゲームコンベンションに出展しており、ゲーム業界へ接近しています。

Pinterest
ビューティーブランドにとって、Pinterestも選択肢のひとつです。多くのインフルエンサーがこのソーシャルメディアにアカウントを持っており、エンゲージメントの高いプラットフォームであると評判です。ブランドは、Pinterestが提供する新しいトラフィック測定ツールを積極的に活用しています。スポンサービデオ、ピン、キーワードなどの形でコラボレーションすることができることも魅力的です。 Youtube 化粧品やスキンケアの使い方やメイクアップのテクニックなどを紹介している動画コンテンツの主戦場は、Youtubeです。とういのも、Youtubeでは、より長く、より詳しい情報を動画を通して提供する場所として最適です。インフルエンサーは、スポンサービデオの説明文に製品への言及を組み込んだり、動画の中で製品を紹介することができます。

美容業界で重要なハッシュタグ

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行によって、世界の多くの人が外出を自粛し、自宅で多くの時間を過ごすことになりました。これによって、SNSに費やす時間が増え、美容業界にも新しいトレンドが生まれています。下記3つは、その中でも今後重要となるであろうハッシュタグです。

#skincare
2020年、美容系KOLの中に、skinfluencer(skin=肌とinfluencer=インフルエンサーをかけ合わせた言葉で、スキンケア愛好家のことを指す)という新しいハッシュタグとそれに紐づくコミュニティが登場しました。このグループは、より科学的な知見があるpharmfluencers(pharmacy=調剤師とinfluencer=をかけあわせた言葉で、肌に関する誤った情報などを明らかにしようとするインフルエンサーのことを指す)とコンテンツを作成したり、ライブ配信を行うことで、美容品の成分や肌タイプについて消費者とともにディスカッションすることができます。


#selfcare
昨今、ミニマリズムが脚光を浴びており、ノーメイクやヴィーガンが美容業界でも流行するようになり、自然への回帰が進んでいます。これらのトレンドは、実際に2020年に伸びたもので、ミニマリスト、あるいはノーメイクで、メイクアップの工程を減らすことを意味するスキップケアと呼ばれるものがトレンドとなりました。Lush、Origins、Typologyなどのグリーンブランドがブームとなり、こういったジャンルの化粧品・スキンケア製品を牽引しています。


#filter
美容分野では、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)の活用が拡大しています。これらの最新情報を取り入れることで、ユーザーはメイクアップ製品やアクセサリーを店舗に行かずに、Instagramのフィルターで試すことが可能になり、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって以来、盛り上がりをみせています。

参照記事:
https://www.premiumbeautynews.com/en/social-media-new-beauty-influence,18406
Kolsquare – Beauty brands and Influence Marketing in 2021
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