イギリスの高級化粧品市場、回復の兆し

世界23カ国でパネル調査や市場動向分析などのサービスを提供するNPD社は、イギリスの高級化粧品及び香水市場は、回復の兆しを見せていると報告しています。

2020年と2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大により世界中の主要都市でロックダウンが実施されたことから、高級化粧品やフレグランスを含むラグジュアリーアイテムの市場は18%のマイナス成長となりました。

ヨーロッパでは、型コロナウイルスの影響で化粧品に対する需要が減退していたものの、現地消費者がEコマースサイトで化粧品を購入する動きが広まったことが回復を牽引しているようです。

イギリスの高価格帯ビューティーブランドは、消費者の変化に早期に対応

2020年上半期、イギリスの高級化粧品市場の売上は、前年比で37%のマイナス成長を記録し、同市場は大きな打撃を受けました。これは、外出の機会が減少し、リモートワークが急速に広まったことから化粧品の使用頻度が大幅に減少したことが直接的な原因です。

しかし、2020年10月末にはイギリスのスキンケア、ボディケア、メイクアップ、フレグランス、男性用グルーミング製品を含む高級化粧品市場が前年同月比で38%成長し、5.4億ユーロの売上を記録しました。

同社でイギリスのビューティー市場のアカウントマネージャーを務めるエマ・フィッシュウィック氏は、この成長をもたらした要因を、「英国にある高価格帯ビューティーブランドは、新型コロナウイルスによる消費者の行動変化に早く対応することができた」解説しています。

具体的な例として、各ブランドはオンラインで商品を購入することに送料無料、ディスカウント、プレゼントなどのインセンティブを付けることにより、実店舗にはない特典のプロモーションをオファーし、オンラインで化粧品を購入する消費者のニーズを掴みました。また、多くのブランドが先端技術を積極的に活用し、バーチャルでのメイクアップレッスン、スキンケア専門家による講習、お試しセットなどの配布などの施策が多くの消費者に好評でした。

その結果、2020年1月〜10月の期間における高級化粧品のオンライン売上は、前年同期比で54%売上を伸ばしています。細かく見ると同期間にフェイスクリームが67%、洗顔商品が66%、化粧水が32%のプラス成長を記録しています。今後も高価格帯ブランドは、オンラインショップを含むオムニチャンネルの存在感を強め、新しい生活様式に適した売り方とマーケティングを推進することの重要性が指摘されています。

参照記事:
https://www.cosmeticsdesign-europe.com/Article/2021/01/07/Luxury-beauty-markets-in-UK-France-and-Germany-show-signs-of-recovery-says-NPD-Group

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